外国人にも人気。宇治茶の摘み取り体験
京都府相楽郡和束町にある京都おぶぶ茶苑で、今年の春に行われた宇治茶の摘み取り体験に参加しました。およそ60名の参加者のなかには、外国人観光客の姿も多数見られ、人気の高さがうかがえました。
【月刊フードジャーナル7月号】では、その人気の秘密にせまりました。
宇治茶の約4割を生産する京都府・和束町
「京都おぶぶ茶苑」を運営する喜多章浩代表が、和束町で飲んだ一杯のお茶に感銘を受け、この地でのお茶栽培を決意したのは、今から15年前の大学生の頃のお話です。その思いが冷めぬうちに、即行動を開始。大学を中退して、約10年お茶修行に励んだ後、京都おぶぶ茶苑を設立しました。
これまでの農園運営とは違ったユニークな経営手腕を発揮し、茶畑オーナー制度の導入や国際インターンシップ制度で外国人インターンを受け入れたり、新規事業にはクラウドファンディングを活用して、精力的に活動を行っています。
お茶摘み体験イベントは、春・夏・秋の3回行われています。参加させていただいたイベントには60人が詰めかける盛況ぶり!外国人も多数参加していました。
京都おぶぶ茶苑では、HPでの情報発信は積極的に英語でも行い、イベント当日は外国人インターンが通訳をつとめるので、言葉の心配をすることなく外国人も安心して参加できるのです。
一芯二葉を探しながら茶葉の摘み取り体験
午前中、お茶摘みのレクチャーを受けた後、茶畑へ移動して収穫体験を楽しみます。一芯二葉になっている茶葉を探して、どんどん摘み取ってカゴの中へ。摘み取る時の力のかけ具合にはちょっとしたコツがいるのですが、慣れてくるとおもしろいように収穫できて、夢中になってしまいます。
1時間ほど茶摘みをした後は、お茶づくしのお弁当でランチタイム。抹茶豆腐や抹茶コロッケなどアイデアいっぱいのメニューが詰まっていました。
揚げたてサクサクのお茶葉の天ぷら。こんな食べ方もできるのですね!
釜炒り製法と手揉みによる宇治茶の製茶体験
午後からは、摘み取った茶葉を、釜炒りと手揉み作業で「お茶」に仕上げていく製茶体験の時間です。グループのメンバーと交代で、大きな釜に入れた茶葉をかき混ぜながら水分を飛ばしていきます。
レクチャーしてくださったスタッフは、素手で茶葉の状態を確かめていましたが、参加者は軍手をして、やけどに注意が必要です。
体験イベントでの製茶は釜炒りですが、商品となる茶葉は釜炒りではなく、「浅蒸し製法」で作られているとのことでした。
20分程度釜炒りした後は、水分が飛んで乾燥が進んでいます。次は揉み込み作業を行います。広げた茶葉をクルクルと丸めながら、1個のボールを作るように固め、しっかりと揉みます。
そして再び釜炒り作業です。釜での火入れ、揉み込み作業を3回程度繰り返します。
製茶体験の途中に、お抹茶をいただけるサービスも。石臼で茶葉を挽くのも楽しい体験。外国人の参加者も興味津々で順番待ちしていました。
そろそろ完成が近づいてきました。松本靖治副代表が、茶葉の仕上がり具合をチェックしてくださっています。ここまで、待ち時間も含めて3時間以上!
緑茶の甘みと旨みを味わう一煎目は約50度で
最後に、自分たちで作ったお茶の試飲タイム。作りたての茶葉をいただくのは初めての経験です。お湯の温度にもこだわって、おいしいお茶を淹れましょう。
一煎目はお茶の甘みを引き出すために、約50度のお湯を注ぎます。ふたをして蒸らして2〜3分。いただいたお茶の甘みは感動的でした!緑茶がここまで甘くなるとは驚きです。そして二煎目は少し温度を上げて約80度、三煎目はさらにもう少しだけ温度を上げていただきます。
自分でお茶を淹れる時、お湯の温度にはあまり気を配っていなかったな、と反省。沸騰したお湯を勢い良く急須に注ぎ、しばらく置くと、なんともいえない渋いお茶ができあがります。お茶って渋いもの、そんな思い込みがありました。でも、ほんとにおいしいお茶には甘みがあります。
一杯のお茶が、これほどまでに人を幸せな気持ちにしてくれることに、あらためて驚きました。外国人から関心が高い日本茶の文化。私たち日本人こそ、自国の文化について、知らないことも多いと痛感します。身近にあるものだからこそ、見過ごしていることがたくさんありますね。みなさんにも、ぜひお茶摘み体験をおすすめしたいです。
京都おぶぶ茶苑では、春・夏・秋の年3回お茶摘み体験を実施しています。秋のイベントは9月23日(土・祝)に開催されるようです。
詳しくはこちらへ→京都おぶぶ茶苑
インスタからお邪魔しましたオリーブヒルズの澳と申します。
オリーブの収穫体験にもお越しください
ありがとうございます!またご連絡させていただきますね!