お豆腐・大豆加工食品業界の専門情報誌「月刊フードジャーナル」の取材で、高知県へ行ってきました。連載記事のために3軒の生産農家さんを訪問させていただいたのですが、取材とは別に、高知へ行くなら訪ねてみようと思っていた農園がありました。目的地までは約330キロ。車で自宅を出て直行したのが高知県土佐市のトマト農家「ファーム輝(かがやき)」さんでした。

ファーム輝さんとの出会いは2012年。当時、京都・四条烏丸の複合商業施設「COCON  KARASUMA(古今烏丸)」で開催されていたマルシェイベント「ココンマルシェ」に、野菜ソムリエグループでイベントブースを出展しました。その際に、トマトを出品してくださったのがご縁です。

その後も、私がサイト運営に携わっていたお米や野菜、農産品加工物を販売するネットショップでもトマトを販売させていただいたり、JR大阪駅前グランフロント大阪でのトマトイベントの際に、ファーム輝さんの販売ブースを訪問させていただきました。四国は関西からはそう遠くはなく、何度か取材にも訪れているのですが、高知県へ行くチャンスはなかなかありませんでした。今回、縁あって高知県へ行くことになり、以前からごあいさつに伺いたいと思っていたファーム輝さんを訪問しました。

高知県ではトマト栽培が盛んですが、ファーム輝さんはトマト専業で農園を運営されています。1998年にトマト栽培を始めた当時は、トマトを行商して歩いたり、販売先の開拓にも苦労されたと、奥様の「とまっくま」こと、まるちゃんがお話ししてくださいました。清流・仁淀川の伏流水と厳選した有機質肥料で育てられたトマトは、少しずつその評判が広がり、全国各地のお客様からオーダーが届くようになりました。プロのシェフにも愛され、今では大きなビニールハウスが何棟も建ち並び、収穫の最盛期には連日夜なべ作業が行われます。

圃場をまわりながら、いろいろなお話しを伺い、トマトの試食もさせていただきました。フルーツトマトやミニトマトなど、約25種類を栽培。驚くほどの甘さのなかに酸味のバランスがほどよく溶け込み、トマトのうまみがギュッと凝縮され、次々と手を伸ばしてしまいそうになります。甘いトマトは人気が高いですが、酸味が弱ければそれほどおいしくは感じません。甘味と酸味のバランスが取れていることが大切なんです。

細長いカタチが印象的で、すっかりおなじみになったアイコ。ミニトマトの中でも、特に糖度が高く、甘いと評判です。ゼリー部分が少なく、うまみ成分のグルタミン酸が豊富に含まれ、実は生食以外にも加熱調理にも向く品種でもあります。

ファーム輝さんのフルーツトマトとミニトマトで作ったカプレーゼ。オリーブオイルに塩・こしょうといった、ごくシンプルな味付けだけで、トマトのおいしさが充分に引き出されます。おいしいトマトに出会うたび、トマトって、こんなにおいしいもんだったんだ!と、あらためてその魅力に気付かされます。私たちはほんとうにおいしいトマトの味がどんなものだったのか、長い間、忘れていたのかもしれません。今の流通の仕組みを考えると、利便性を優先せざるを得ないこともよく理解できます。ですが、そのために本物の野菜や果物の味を感じられなくなっているのは残念なお話です。少しでも本物の味をみなさんに知っていただけるように、野菜ソムリエプロとして活動していきたいと思っています。

火を通しすぎてしまったたまごが残念ですが(笑) 台湾ではおなじみのメニュー、トマトとたまご炒め。たまごをふわっととろっと仕上げるのがおいしさの秘密なのですが、普通のトマたま炒めになってしまいました。ごま油で炒めて塩・こしょうで味付けするシンプルなもの。あまりかき混ぜるとトマトが崩れて水分が出てしまうので、できるだけ手をかけずにあたためることも大切なポイントです。次回は、もっとおいしく作れますように(祈)  ゼリー部分の少ないトマトを選ぶのも忘れないようにします(笑)

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です