秋に食べられるたけのこ、四方竹(しほうちく)。ひょろりと細長く、断面を見ると四角い形をしています。穂先はやわらか、根元はシャキシャキ食感で、アクが少ないのも魅力です。春の姫竹や根曲がり竹に似ていますが、実は種類が違っていて、四方竹はたけのこ、姫竹や根曲がり竹は笹の若芽なのです。

四方竹 高知 秋のたけのこ 秋の味覚四方竹の収穫期間は1カ月ほどで、まさに今が旬。高知ではおなじみの秋の山菜として親しまれています。皮が固いので下処理がなかなか大変なのだそう。皮をむくとすぐに変色してしまい、生のまま出荷するのは難しく、県外で流通することはほとんどないご当地食材でした。

そんな四方竹ですが、約30年前に南国市の生産者さんが開発した画期的な皮むき機とボイル方法により、水煮にした状態での出荷が可能になったことで、その知名度は全国区になりました。

昨年に続き、今年もデパートで四方竹を使った料理をご紹介する仕事があり、行かせていただきました。昨年はガーリックバター炒め、今年はチンジャオロースのレシピをご提案。お客様も四方竹のおいしさはよくご存知で、毎年この時期を楽しみにされているかたもたくさんいらっしゃいます。煮物にする、というお声が多いのですが、洋風レシピのガーリックバター炒めや、中華風のチンジャオロースはめずらしいと、ご好評をいただきました。

チンジャオロースは、牛肉とピーマン、たけのこを炒めた料理ですが、四方竹で作っていただいてもシャキシャキとした食感が楽しいですよ。ごま油で牛肉を炒め、色が変わったら、細切りにした四方竹とピーマンを合わせてさらに炒めます。しんなりしたら、お酒、しょうゆ、オイスターソースをからめて、よく味をなじませてできあがり。ピーマンは、緑色と赤や黄色のカラフルなものを使うと彩りも鮮やかに。

写真の右上はきのこもたっぷりはいった四方竹のガーリックバター炒めです。仕上げに刻んだパセリを添えました。炊き込みご飯にも四方竹が入っています。油揚げとの相性もいいですね。

秋のわずかな時期だけに楽しめるたけのこ、四方竹。アクが少なくどんなお料理にも合わせやすいので、ぜひ召し上がってみてはいかがでしょうか?

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です